「人体のしくみ-CGクリエイターのためのグラフィックバイブル」


人体のしくみ


骨なんて見えないんだから知らなくていいんじゃない?
↑これ間違いです。

どうせ服着せるんだから素体なんてテキトーでいいんじゃない?
↑これ間違いです。

萌えキャラ作りたいんだよ、リアル人体カンケーないじゃん。
↑これ間違いです。

美少女フィギュアなんておっぱいとぱんつだけ作っとけばいいじゃん。
↑それはそうかもしれない。
(おいっあせあせ(飛び散る汗)

歯以外の骨は外からは見えません、確かに。

しかし人間の身体が動くのは関節だけ、その関節は、骨と骨の接点です。
知らずにフィギュアを作ったら、おかしなところでぐにゃっと曲がるかもしれません。

骨は見えませんが、筋肉の隆起は見えます。
筋肉の土台は骨です。

骨格を意識しましょう。


そのほうがです。



確かに服は着せるでしょう。
いやまあエロフィギュアしか興味ないとかそういう特殊な嗜好は置いといて着エロだってあるわけで・・・

でも服の下には身体があります。
フィギュアはドールとは違って服も身体も同じ素材で作ります。
下手をすると一体化して見分けがつかなくなります、作業中は。
特に関節位置を見失うとやっかいです。
見失わないためにはどうするか?
一気に作らないことです。

裸を作って、少しずつ服を着せてゆく。


そのほうがです。

ついでに服にはシワができます。
フィギュアの素材は硬いですから、シワがないと外骨格にしか見えません。
MS少女だったらそれでいーじゃんと言われても、ぱんつまで外骨格だったら意味ないでしょう?

シワができる要因は、人体の動き、重力、風、など
あと、シワの起点は固定地点

ハンカチを壁に画鋲で留めてください。
シワの起点は画鋲になります。

巨乳キャラがいたとしましょう。
巨乳の頂点が服の生地を押し上げます。ゆとりがないです。その点で布が固定されます。
頂点は左右二つあります。
そのあいだに架け橋のようなシワができます。
さらに服の裾が開いていれば、重力で巨乳から下にシワが流れます。

例が下世話ですが・・・

もちょっと上品にいきますと・・・

洋服の袖は筒です。こういう場合シワの基本形は同心円になります。ただ、袖は胴体部分に縫い付けられ、固定されているのでゆがみます。
腕を前に出すと、袖が引っ張られ、服が肩の後ろに押さえつけられます。固定点。そこからシワが流れます。

袖の縫い目は同時に胴体側の縫い目でもあります。
脇の下。
重力の都合上、脇の「下」になります。
脇というのは身体の左右に二つあります。
両方とも固定点です。
ドレープ上の流れができます。

etcetc・・・・・

人体を知らずに服のシワが作れますか?

まず身体から作りましょう。


そのほうがです。



萌えキャラといえど人間っぽく見えませんか?
犬耳少女も犬そのものではありません。
猫耳少女も猫そのものではありません。
ウサ耳少女も以下略です。

人、のように見える。

言い換えればキャラは人間のディフォルメだ、ということです。
ディフォルメには元ネタがあります。
まずは元ネタについて知ってください。


そのほうがです。

ディフォルメの仕方は絵師さんによって千差万別です。

らき☆すたもディフォルメされていますが、
北斗の拳もディフォルメされています。

元ネタから逆算できるようになったほうが芸風が広がる・・・・・・・・はず。



乳とぱんつは別にいいからお好きなだけこだわってくださいるんるん
でも、どうせなら乳ばんどぴかぴか(新しい)やぱんつぴかぴか(新しい)の下にあるはずのところの物体の形状も意識しましょうね


と、いうわけで・・・・


さすがにModeling the Figure in Clayみたいに骨の一本一本まで作ることはないと思いますが、
フィギュア製作に人体にかんする知識は必須だと思うわけです。


美術解剖学書なんかを参考にすればいいわけですが・・・

良書はどこだ?というのが問題で。

文章を読むと眠くなる、手描きの図解は平面だ、写真は誇張もなければ個体差が多くて構造を意識しにくい・・・

と一長一短あるわけです。

そこで超有名書ですがCGがお奨め。
人体のしくみはサブタイにあるとおり本来3DCGをあつかうグラフィッカー向けの書籍ですが、アニメとして「動かす」ことを前提にCGモデルをつかって人体の構造を図解しています。

文章は多くなく脚注レベルですが、一種抽象化されたCGの人体が、構造の理解にとにかく威力を発揮します。

もちろん抽象化されすぎている嫌いはありますが・・・

もともと美術解剖学が想定しているような「平均的人体」というのも理論的抽象で、抽象概念だからこそ「学」が成り立っているという事情もあります。

個性、個体差はアレンジで作ればいいわけで、アレンジの出発点として抽象的な人体モデルを押さえておいて損はないと思います。
この一冊ですべて解決、とまではいかないかもしれませんが、造形者の一般常識として手元に置いておくのがよいかと思われます。

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